なんでもかんでも現金で支払う現金主義者。
株式会社ジェーシービーが取った2012年の統計(2013年2月発表)によると87%の方がなんらかのクレジットカードを保有していますが、逆に言えば未だに13%の方は1枚もクレジットカードを持っていない現金主義者であるということでもあります。
更にカードを持っているけれどもほとんど使わない『隠れ現金主義』だという方も少なくないことでしょう。
現金主義者に焦点をあててみました:
そこで今回は比率にして8人に1人程度であるこの現金主義者に焦点をあて、現金主義でいるままの弊害を徹底的にまとめてみました。賛否両論はあると思いますが、これを読んで頂ければ現金主義のままでいることに対して危機感のようなものを感じてもらえるのではないかなと考えています。
現金主義者の方も、すでにカードを持っているけど活用しきれていないという方も、是非、読んでみてくださいね。
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現金主義者の方が思っている現金主義の利点まとめ:
まずは現金主義者の方が思っている、現金主義でいるままの利点をまとめてみました。ヤフー知恵袋や教えてgooなどから集めてきた意見なので、現金主義だという多くの方が下記5つのどれかの理由でカードや電子マネーを使わないでいるのではないかと思われます。
その1:お金の管理がしやすい
『財布の中に2万円入っていて、銀行口座には30万円入っている。だから自分のお金は今、合計で32万円だ。』というのが明確にわかるのが現金主義のメリット。無借金であれば基本的に銀行口座残高を見るだけで自分の資産がわかることが、現金主義の最大の利点だと考えている方は多いようです。
他にも買い物で使った分の請求があとで来ること自体が気持ち悪い…と考えている、後払いが嫌いな方もいらっしゃいました。
その2:使いすぎてしまわない
現金主義なら持っているお金しか使うことが出来ないから、浪費癖がある自分には最適!と考えている方も多いですよね。
これらの方の中には過去にクレジットカードを持った際に利用限度額めいっぱいまで利用してしまって、ちょっとした借金地獄に陥った経験から現金主義に戻ったという出戻り組も多いようです(リボ払いや分割払いの恐怖を知ってるからこそ現金主義に戻った傾向もあります)。
『クレジットカードで払うとお金の重みがわからないから、ついつい使いすぎてしまう』という、現金払いをするからこその紙幣価値を重視している方も少なくないようです。これらの方の場合には財布の中から1万円を取り出して、店員に渡す時はそれなりの決意が必要になるからこそ大事なんだという考えを持っているようです。確かにクレジットカード払いだとサインをするだけで簡単に高額品が購入できてしまうため、お金の重みを感じることはできません。個人的になるほどと思いました。
その3:盗難や悪用が怖い
クレジットカードを持つと盗難や悪用される可能性が高いので怖い!だからカードは持ちたくない!という、消去法で現金主義を続けている方も多いです。
現金主義を続けている限りは知らない誰かに自分のお金を勝手に使われてしまうことはないというのがその理論だと思われます(盗まれても財布の中の現金だけで済むという発想です)。
その4:余分な手数料が取られる
クレジットカードを作ったり、買い物で利用すると余計な金利や手数料をとられるから嫌だ!という方も少なくありません。だったら現金払いを続けたほうが手数料がかからないのでお得だろう…という考えですね。
その5:利用歴が悪く、カードが作れない
最後は残念ながらクレジットカードを作ろうと思っても作れなかった方々です。現在無職だからクレジットカードを作れない…という方もいれば、クレジットヒストリーと呼ばれる利用歴が悪くてどこのカード会社に申込をしても断られてしまうという方がこの5つ目にあたります(仕方なく現金主義者のままでいるという方々です)。
現金主義者のままでいる7つの弊害まとめ:
ここまでは現金主義者でいるメリットを読んでもらいました。確かに全く現金主義の利点がないのかといえばそうではありませんし、現金主義には現金主義の良いところがあるのも事実です。
しかし、思いきってここで断言してしまうと、現金主義者がメリットだと思い込んでいるもののほとんどが、ただのクレジットカードに対する誤解でしかありません。クレジットカードの仕組みをろくに理解しようとせず、本当はメリットでもなんでもないものを勝手にメリットと思い込んでいるだけに過ぎないケースがあまりにも多いと言えます。
そこでこの記事の本題、ここからは現金主義者でいるままの弊害をまとめてみました。これらをじっくりと読んでもらえれば、現金払いでいることのもったいなさを感じて貰えるはずですよ。
現金主義者でいることの弊害一覧リスト:
- 弊害その1:単純に損をしている
- 弊害その2:盗まれた時に全額、損をする
- 弊害その3:ネット通販における問題
- 弊害その4:支払いが遅い、利用開始までが遅い
- 弊害その5:振込手数料やATM手数料が高い
- 弊害その6:クレジットヒストリーの構築ができない
- 弊害その7:これから先はどうするの?
弊害その1:単純に損をしている
現金主義者を続けることの最大の弊害とも言えるのは、やはり単純に現金払いは損をするからということ。なぜなら例えば同じ1万円の買い物をする場合でも、現金払いとクレジットカード払いでは下記図のように違いが発生するためです。
現金払いとクレジットカード払いの違い:
現金払いと異なり、クレジットカード払いの場合にはスーパーマーケットでもコンビニでも、レストランでも本屋でも、支払いでカードを利用すればそれだけでポイントが貯まる。つまり現金払いよりもポイントが貯まる分だけ確実にお得さが違います。
ポイントが貯まるといってもたかが知れてる?
『貯まるっていっても数百円程度のポイントなんていらいないよ!』という方もいらっしゃいますよね。確かにポイントを一生懸命貯めても年間数千円程度しかお得にならなかった経験があるという方も多いと思います。
しかしそれは単純にお得ではないクレジットカードを使っていただけに過ぎないから。ポイントが貯まりやすいクレジットカードを利用すれば、それだけで大きな節約につなげることが出来ます(ポイントが貯まりやすいカードはこちら)。簡単に表にしてみますね。
支払い比較 | 年間支払い額 | 貯められるポイント |
---|---|---|
現金払い | 100万円 | 0円。現金払いではポイントは貰えません。 |
300万円 | ||
500万円 | ||
1000万円 | ||
クレジットカード払い | 100万円 | 約2万円分 |
300万円 | 約6万円分 | |
500万円 | 約10万円分 | |
1000万円 | 約20万円分 |
期間を長くして考えると損失が見えてくる:
これを1年単位ではなく、3年、5年、10年で考えてみると、クレジットカードを利用することでどれだけのポイントが得られるのかがわかるかと思います。
年間利用額 | 年数 | 貯められるポイント |
---|---|---|
100万円 | 3年間 | 約6万円分 |
5年間 | 約10万円分 | |
10年間 | 約20万円分 | |
300万円 | 3年間 | 約18万円分 |
5年間 | 約30万円分 | |
10年間 | 約60万円分 | |
500万円 | 3年間 | 約30万円分 |
5年間 | 約50万円分 | |
10年間 | 約100万円分 | |
1000万円 | 3年間 | 約60万円分 |
5年間 | 約100万円分 | |
10年間 | 約200万円分 |
仮に一般的な核家族の支出である年間300万円という金額を、そのままクレジットカードで支払うことができていたとするなら10年間で60万円の節約に。言い換えれば、あなたがもし現金主義者で過去10年間、現金払いのみでやってきていたとすると、それだけで60万円分も損をしていることになります。
もちろん世の中にはまだまだクレジットカードで支払えない場所がありますので、すべての支出をカード払いですることは不可能。それでもその金額に近い分を損しているはずなので、そう考えるといかに現金主義が勿体無いことがおわかりいただけると思います。
セレブなどのお金持ちの場合、ポイントで貯まる金額なんてたかが知れているだろうと現金主義者になるケースも見受けられます。しかし、上記の年間利用額で計算された表を見てもらえればわかる通り、高額品の買い物を頻繁にするお金持ちの場合には更に貯まるポイントも膨大に。お金持ちだからこそ、クレジットカードを使ったほうが節約できる金額も多いのですね。
カード保有者しか受けられない特典が貰えない
更にクレジットカード保有には違うメリットも。現金払いでは受けられない様々な割引優待が受けられるということです。
代表的なのがデパートなどの割引。カード保有者は10%引きが受けられるパルコカードや20日30日は5%オフのイオンカードなどが有名ですね。 これらも現金払いでは受けられない割引なので、クレジットカード保有者がいかに優遇されているかがわかります(現金主義でいると損をすることに)。
現金払いを続けること自体が実は損。
知らず知らずに大きな損をしていることに!
弊害その2:盗まれた時に全額、損をする
現金主義者でいることの弊害その2としては、現金は盗まれた時に全額、損をする可能性が高いということ。
これはまぁ考えてもみてください。たとえば誰かが10万円の現金とクレジットカードが入った財布を拾ったとした場合、現金とクレジットカード、どちらに手を付けると思いますか?答えはやはり現金ですよね。
財布を落としてしまった場合:
財布の中身 | 危険度 | 解説 |
---|---|---|
現金 | 高い | 現金には所有者の名前が書かれていないため、簡単に盗まれてしまう。また盗まれた後に犯人探しをしようにも難しい。 |
クレジットカード | 低い | クレジットカードを悪用しようと思える勇気のある方は稀。よほど無知な方かプロでなければ、クレジットカードを使って買い物をしようとはしない(日時と場所が記録されるため、足がつきやすい)。 |
このようにクレジットカードは、利用するとその日時と場所が記録されてしまい、しかもサインなどの記入が求められるために悪用しにくい作りになっています。
反面、現金の場合には簡単に盗まれてしまうため、財布の中に大金をいれがちな現金主義者の方はそれだけで財布紛失時の損害を大きくしてしまっていると言えます(カード利用をメインにすれば現金はそれほど多く必要ない)。
悪意のある人に盗まれた場合でも大丈夫:
一般の方に財布を拾われた方は良いけれども、スリなどのプロに財布を盗まれてしまった場合にはクレジットカードのほうが怖いと思いますよね。
しかし安心してください。クレジットカードには盗難保険と呼ばれる保険がついており、この保険がある限り財布を落としてしまったり、盗まれてしまった時の損害をカバーしてくれます(所定の手続きを踏んだ場合。詳しくは付帯保険カテゴリを参照)。
例えばクレジットカードを盗まれて20万円使われてしまったとしても問題ありません。では300万円使われてしまったとしたら?もちろん問題ありません。盗難保険には補償の上限金額が設定されていないので、例えクレジットカードを盗まれて1億円が悪用されてしまったとしてもあなたが負担すべき金額は0円で済みます。
盗難時の比較 | あなたの被害額 | 解説 |
---|---|---|
現金50万円を盗まれた | 最悪50万円まるごと | 犯人が捕まったとしてもお金が戻ってくる可能性は低い。 |
クレジットカードを盗まれて 50万円使われた |
0円 | 所定の手続きさえ踏めば、盗難保険が被害をカバーしてくれる。 |
反面、上記表のように銀行ATMなどからお金を下ろしたばかりのところをスリに狙われたら…そのお金が戻ってくる可能性は低いと言えます。
海外には気合を入れていくしかない:
現金主義者の方が一番困るのが海外旅行時。解説は長くなってしまうので省きますが、海外では大金を持ち歩くと犯罪に巻き込まれる可能性が日本よりも高いので、クレジットカードを利用するほうが安全と言われています(地球の歩き方などでも推奨)。
ちなみにこの、『多額の現金を持ち歩くのが危険、クレジットカードを持ち歩いたほうが安全』という意味をしっかりと理解してもらえれば、いかにクレジットカード払いが現金払いよりも安全かがわかってもらえるはず。日本国内でももちろん同様なんです。
現金は盗まれたら戻ってこない可能性大。
クレジットカードは盗まれても補償される。
弊害その3:ネット通販における問題
現金主義者のままでいることの弊害その3としては、クレジットカードを利用しないとネット通販でとにかく不便であるということ。
過去に楽天市場やアマゾンなどで買い物をしたことがあるという方であればお分かり頂けるかと思いますが、銀行振込で支払いをしなくてはいけないのは面倒…。代引き対応してくれる場合でも、別途315円などの代引き手数料を取られてしまうことが多いと言えます。
ネット通販モールにおける支払い方法の問題点:
支払い方法 | 問題点 |
---|---|
銀行振込 | 店舗側の確認に時間がかかる。土日や年末年始だとスムーズな入金が出来ない。 |
代金引換払い | 代引き手数料が別途とられるケースが多い(宅配ボックスにも入れて貰えない)。 |
コンビニ後払い | コンビニなどにわざわざ行く手間が必要。またコンビニ払い手数料をとられる場合も。 |
クレジットカード払い | 瞬間的に支払いが完了するため、変更&キャンセル処理などが面倒なケースも。 |
『クレジットカード払いなんてしなくても、代引きで問題がない!』と思われるかもしれませんが、代引きが可能な店舗を探すために時間がかかる場合も多いはず。
場合によっては最安値で購入可能な店舗が代引きに対応していない…なんて残念なケースもあることを考えると、代引きもクレジットカード払いもどちらにも対応が出来る状態にしておくことがベストですよね。
カード払いのみしか受け付けない店舗も増加中:
最近ではクレジットカード払いのみでしか買い物ができないネット通販モールも登場(BASEなど)。店舗を運営する側としてもクレジットカード払いは管理が楽なため、今後もこの流れは拡大していくことでしょう。
万が一商品が届かない場合には泣き寝入り:
銀行振込などで先に代金を支払ってしまうと、最悪の場合、商品が届かない時に泣き寝入りするしかないケースもあります。大きな通販モールであったとしても、そこに出店している店舗の中には個人経営に近い会社も多いため、そういった可能性は0%であるとは言い切れません。
支払い方法 | 代金の支払いはいつ? |
---|---|
銀行振込 | 先払い |
代引き | 商品到着時に支払い |
クレジットカード払い | 原則、後払い (予約注文などで先に払うことも) |
反面、クレジットカード払いはご存知のように請求があとでやってくる後払い形式。そのため、万が一商品が届かないような場合には、クレジットカード発行会社に連絡をして請求を止めてもらうことも出来ます(泣き寝入りせずに済む)。
こういった面でもネット通販ではクレジットカード払いに優位性があると言えますね。
楽天市場における楽天カード、ヤフーショッピングにおけるヤフーカードなど、通販モール利用時に得られるポイント面でもクレジットカードはお得。現金払いや代引きでは得られない追加ポイントが得られることが多いため、少しでも安く買い物をしたいという方にはクレジットカードが必須であると言えます。特に楽天市場ではこれでもかっ!というほど楽天カード強化に取り組んでおり、顕著なポイント優遇をつけていることで有名ですよ。
ネット通販でお得に買い物がしたいなら、
クレジットカードは必須アイテム
弊害その4:支払いが遅い、利用開始までが遅い
現金主義でいつづけることの弊害その4としては、その遅さ。
現金払いを利用していると特に遅さなんて感じたことはないかもしれませんが、現金主義者の方がコンビニやスーパー等でクレジットカードや電子マネーで支払いをすると、そのあまりの速さに感動すること間違いなし。
財布の中を覗きこんで小銭を探し、お札を数えて支払いをする…というような手間が一切不要で、カードを店員に渡すだけで支払いが完了します(カードをポスレジに通した瞬間にレシートが出てきて支払いが終わる)。
電子マネー払いは言うまでもなく早い:
更に常に暗証番号やサイン不要で利用できる電子マネー払いは言うまでもなくスピーディな支払い方法。
乗車券代わりに利用できるSuicaや楽天Edyなどは今やセブンイレブンやローソンなどの大手コンビニで利用可能になりつつあるので、現金払いからそれらの電子マネー払いに切り替えるだけで貴重な時間の節約に繋げられるはず。朝の時間帯はその数十秒が大事なので、現金主義者である時点でそれだけ損をしているのです。
コンビニでクレジットカードを使うなんて…と思われるかもしれませんが、実はコンビニ側もクレジットカード利用は大歓迎。釣り銭の間違いなどが発生しない&売上管理がしやすいというだけでなく、レジ内のお金を増やさずに済むために防犯の効果もあったりするため歓迎されているのです。更には朝の混雑時にレジ行列を短くする効果もあるため、コンビニは積極的に電子マネー払いやクレジットカード払いを導入しているのですね。
振込確認をしてからではないと使えないサービスも:
現金主義者が損をしているのはなにも支払い時のスピードだけではありません。銀行振込などでかかる時間のロスも、充分な損失であると言えます。
例えばネット通販の支払いを銀行振込で行った場合。クレジットカード払いであれば瞬時に確認してもらうことができますが、銀行振込の場合には土日や祝祭日などの影響でなかなか店舗側が確認してもらえないケースもありますよね。
確認が出来ない=商品の発送をしてもらえない…ということでもあるので、その分だけ待ち時間が長くなります。
現金主義の場合にはサービス利用開始が遅れる場合も:
また、各種サービス料金支払いも同様。
ヤフープレミアム会員やインターネットサービスプロバイダー代、自動車保険などなど、クレジットカード払いであれば瞬時に支払い完了となるところが、銀行振込や口座振替依頼書による登録にするとそれだけ時間がかかることに。クレジットカード払いであれば支払い完了したその瞬間からサービスを利用することが出来るにもかかわらず…です。
サービス内容 | 支払い方法 | 利用開始は? |
---|---|---|
有料ブログサービス | 現金払い | 入金確認後でなければ利用できない |
カード払い | 申込完了後すぐに有料機能を利用できる | |
iTunesなどで曲購入 | 現金払い | iTunesカードを購入するなど手間が必要 |
カード払い | 欲しい曲をすぐに購入可能 | |
車両保険 | 現金払い | 入金確認後でなければ保険加入できない |
カード払い | 申込完了後、その日から保険加入できる | |
インターネット プロバイダ |
現金払い | 入金確認後でなければ利用開始不可 |
カード払い | 申込完了後にネット接続が可能 | |
ウィルス対策ソフトなどの ダウンロード販売 |
現金払い | 入金確認後でなければダウンロード不可 |
カード払い | 申込完了後、すぐにダウンロード出来る |
このように残念ながら、現金主義でいる場合には様々なケースでタイムラグが発生してしまうことに。1つ1つは大したことがないかもしれませんが、年単位で考えるとかなりの時間を浪費しているはずです。
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弊害その5:振込手数料やATM手数料が高い
現金主義者でいることの弊害その5は、意外と現金払いにも手数料がかかっているということ。
例えば銀行振込にかかる振込手数料や代金引換払いの手数料は馬鹿に出来ません。振込手数料無料のネットバンキングを利用している…という賢い方もいるかもしれませんが、そうではない場合には月間で500円~1000円程度、年間で1万円程度の費用を払っている方も少なくないと思います。
ATM利用手数料も忘れてはいけない:
また普段から現金払いをしているということは、言い換えればいつも現金を銀行口座から引き出す必要性があるということ。銀行ATMを利用する手数料についても結構な金額がかかっていると思います。更に『ちょっと手元の現金がたりなくて、夜間にATMを利用してしまった』…なんて場合には追加費用がかかるケースすらありますよね。
こちらも月間にして200円~600円程度、年間にして5000円前後の手数料を、銀行に払っているはずです。
現金払いにも手数料がかかる:
このように現金払いには手数料がかからないと思っている方も多いですが、現金主義を続けているからこそかかっている費用はかなり有ります。
反面、普段からクレジットカード払いを利用している場合には利用代金は後日まとめてあなたの銀行口座より引き落としされるため、かかる手数料は0円。つまりこれは言い換えれば、現金主義者は払わなくても良い手数料を現金主義であるというだけでわざわざ払っている状態なのです。
クレジットカード払いにも手数料がかかる?
ちなみに現金主義者の方の中には、クレジットカード利用にも手数料がかかると思っている場合がありますが、これは完全な間違い。年会費無料のクレジットカードを利用し、支払いを一括払いで利用すれば手数料はかかりません(詳しくはクレジットカード利用でかかる手数料まとめを参照)。
支払い方法 | 手数料の解説 |
---|---|
現金払い | 銀行振込手数料、ATM利用手数料、代引き手数料などが必要 |
クレジットカード払い | 年会費無料カードを利用し、一括払いで買い物をしている限り手数料は原則不要 |
むしろ弊害その1で解説させていただいたように、利用金額に応じてポイントが貯まる分だけ、クレジットカード払いはお得…なのですね。
実は現金払いにも手数料はかかる!
クレジットカード払いなら無料にすることも。
弊害その6:クレジットヒストリーの構築ができない
現金主義者のままでいる弊害その6としては、クレジットヒストリーが構築できないというものがあります。
それって何?聞いたこともないんだけど…という方のために簡単に説明をすると、クレジットヒストリーとはあなたが過去に利用したクレジットカードやローンなどの支払い履歴のこと。あなたがどのような金融商品を利用し、その上でしっかり返済していたのかどうかの履歴データ…といったところです(クレジットヒストリーの詳細はこちら)。
簡単にどんなものが記録されているのかまとめてみました(実際にはもっと詳しくまとめられています)。
対象者 | 利用商品 | 履歴 |
---|---|---|
Aさん (良好) |
車のローン | すでに完済。支払い遅れなし。 |
クレジットカード | 利用中。支払い遅れなし | |
Bさん (悪い) |
消費者金融 | 50万円借入中。支払い遅れがち。 |
クレジットカードA | 利用中。支払いが遅れぎみ。 | |
クレジットカードB | 利用限度額めいっぱいまで利用中。 | |
Cさん (良好) |
住宅ローン | 返済中。支払い遅れなし。 |
クレジットカードA | 利用中。支払い遅れなし。 | |
クレジットカードB | 解約済み。支払い遅れなし。 | |
Dさん (履歴無し) |
なにも無し | 利用した履歴無し。 |
過去にクレジットカードを使ったことがない方には存在しない:
このクレジットヒストリー、当たり前の話ではありますが、過去にクレジットカードなどを使ったことがないという方には存在しません。なにせ利用したことがないわけですから、履歴もへったくれもない状態なわけですが、実はこれ、結構困ったことになるケースがあります。
クレジットヒストリーは金融機関が確認するためにある:
そもそもクレジットヒストリーがなぜ作られるのかというと、それは金融機関が『あなたという人間が信用できるかどうか』を確認するため。過去にクレジットカードを利用したり、車のローンを組んだりしていればその返済履歴を見て、この人にだったら安心してお金を貸せるかどうかの判断をするのです。
ちょっとわかりにくいのでこちらも表にしてみましょう。上記表のAさんからDさんを当てはめてみます(銀行やカード発行会社など、金融機関の立場になって考えてみて下さい)。
クレヒスの状態 | 金融機関が考えること |
---|---|
過去の利用歴が良い (AさんとCさん) |
この人にだったら安心してお金を貸しても大丈夫! |
過去の利用歴が悪い (Bさん) |
お金を貸しても返してくれなそう。貸さないようにしよう。 |
過去の利用歴がない (Dさん) |
よくわからない。貸して良いのか悪いのか…。 |
車のローン、住宅ローンが組みにくい:
クレジットヒストリーがないと何が困るのかというと、それは住宅ローンなどの高額ローンを組む場合。結婚してさぁ新居を建てるぞ!という時に、現金主義者の方はローン締結に苦労してしまうのです。住宅ローンが組めないケースはもちろんのこと、たとえローンを組めたとしても高い金利ではないと契約が出来ない…なんていう散々なことになることすらあります。
その点、普段からクレジットカードを健全に利用できているという方の場合には、それだけで信頼できる履歴が確立。金融機関としても安心してお金を貸せるというわけですね。
実は困ったことに、過去に自己破産をしたという方の場合にもクレジットヒストリーが存在しません(実際にはクレジットヒストリーが消えるまで待っていたため)。そのため、お金を貸す側からすると、過去に利用歴がない方か自己破産者かどうかの区別が難しいために、住宅ローンなどの大金を貸すケースではなかなか融資を決断できない場合があるのです。ただ現金主義者だけなのに自己破産者と同じ扱いをされる可能性があるというのも、現金主義の大きな弊害ですね。
就職にも不利になる時代が来る:
また、今後は就職にも影響してくると言われています。
クレジットヒストリー(個人信用情報)は本人申請をすれば取り寄せ可能な情報のため、主に外資系企業が中心ではありますが雇用時に確認を求めてくるケースも。その際、過去の利用歴が一切ない方の場合にはこちらも住宅ローンの貸付時同様、企業側があなたという人間を判断できないために、採用を見送ることすらありえます。
万が一の時のためにも良好なクレジットヒストリーを:
お金を借りる機会などない!と思われるかもしれませんが、病気や怪我で働けなくなった時のためにも、クレジットヒストリーは構築しておくに限ります。是非、クレジットカードを入手して電気代やガス代といった公共料金の支払いだけでも、銀行引き落としから切り替えてみてくださいね(これなら無駄遣いの心配はないはずです)。
クレジットヒストリーがないというだけで、
住宅ローンなどが組みにくいことがある。
弊害その7:これから先はどうするの?
現金主義者でいることの弊害その7は、もうズバリ。これからどうするんですか?という話です。
例えば交通系電子マネーであるSuica(スイカ)。導入されたのは2001年11月ですが、今ではSuicaを使っている人のほうが多いのではというほど都市部では普及しています。わずか10年ちょっとでここまで普及するとは誰が想像したでしょうか?
またコンビニでの電子マネー払いも同様です。コンビニにいると驚くほど電子マネーの決済音が聞こえてきますよね。楽天Edyのシャリーンという音や、WAONやnanacoの音などはすでに聞き慣れてしまったという方も多いと思います。これらのコンビニにおける電子マネー決済の歴史も、決して古いものではありません。まさに急速に普及したと言えます。
1円玉の製造がストップ、貨幣は減少傾向:
それらの普及を裏付けるデータもあります。それが2011年と2012年の2年間、1円硬貨の製造がなされなかったという事実(ウォールストリート・ジャーナルの記事(リンク切れにつきトップページへ))。 もはや現金の使用量自体が、減少傾向にあるのですね。
クレジットカード利用高も拡大中:
クレジットカードの利用額についてもリーマン・ショックの影響で一時、落ち込みを見せた時期もありますが、それ以外は堅調に増加傾向。
今後もネットショッピングの増加やカードが利用できる場所が増えていくことで、利用額は拡大していくことでしょう(クレジットカード動態調査による)。
そんな時代にクレジットカード一枚持たないままで行くのか?
そう、要するにそんな時代にクレジットカードを一枚も持たないでやっていこうとすること自体が難しいのです。
弊害その3やその4でも解説しましたが、今やクレジットカードがないと利用できないサービスも増加中。『クレジットカードが怖い!現金払いが安全だ!』という考えのままでは、いつか大きな壁にぶつかってしまうことでしょう。
クレジットカードを良く理解しないまま否定をせずに、是非、まずはその仕組みを知るところから始めてみてくださいね(基礎知識集はこちら)。
電子マネーやカードは急速に普及中!
これからの時代、現金主義のままではツラい。
現金主義に関する統計データまとめ:
これらのデータを確認いただければ、いかに現金主義が今や劣勢に立たされているかがおわかりいただけるのではないでしょうか?2013年の世の中は、電子マネーやクレジットカードなどのプラスティックマネーが優勢になりつつあります。
クレジットカード発行枚数に関する統計データ:
まずはクレジットカード発行枚数に関する統計データをまとめてみました(日本クレジット協会調べ)。
日本で発行されているクレジットカード枚数は3億枚以上
現在日本で発行されているクレジットカードの総枚数は3億2000万枚以上。日本の成人人口が1億500万人程度であるということを考えると、かなりの発行枚数がありますよね。未だにクレジットカードを持っていないという方は少数派といっても過言ではないでしょう。
1人あたりのクレジットカード所有枚数は3.1枚
日本の成人人口を約1億500万人であるとすると、1人あたりの保有枚数は3.1枚。現金主義者の方が保有していないことを考えると、保有者平均では4~5枚程度はカードを持っていることになります。ちなみに私はカード研究のために15枚ほど保有しています(お薦めはしません)。
クレジットカード保有者の統計データ:
次に冒頭でも紹介したクレジットカード保有者の統計データを紹介したいと思います(株式会社ジェーシービーによる2012年調べ)。
20代の保有率はやや低め:
クレジットカードの保有率は20代でやや低め。但し、30代以降になるとほとんどの方が1枚は保有しています。
また、女性の保有比率は男性と比べて高いことがわかりますね。やはりポイントを貯めるなどの行為に対して、お得さを感じる方が多いのではないかと思います(家計をあずかっているから…ということもありそうです)。
年代 | 男性の保有比率 | 女性の保有比率 |
---|---|---|
20代 | 74.1% | 77.2% |
30代 | 86.4% | 89.9% |
40代 | 87.1% | 92.7% |
50代 | 87.7% | 93.8% |
60代 | 89.2% | 93.8% |
全体 | 87.4% |
また、この調査結果では歳を重ねるごとにクレジットカードの保有率が高まっていくという結果も。個人的には年配の方であればあるほど頑固なまでに現金主義を貫いている方が多いのでは…という印象を持っていましたが、統計データを観る限りではそんなことはないようです。
当サイト内のお役立ちリンク集:
現金主義の方に役立つであろう関連リンク集。時間がある方は是非、読んでみて下さい(時間が無い方もブックマークして後ほど、読んでみてください)。
クレジットカードの基礎知識を徹底的にまとめたカテゴリ。これを読んで頂ければ一般レベルよりも詳しい知識を手に入れることが出来ますよ。
当サイトのトップページです。常に新しいクレジットカード情報を更新していますので、お得な最新情報をいち早く入手したいという方はご覧ください。
クレジットカード初心者がやってしまいがちな落とし穴8つを解説しています。あんまり時間がないのでざっくりとカードの失敗例が知りたいという場合はこちらをどうぞ。
その他、現金主義者に役立つ電子マネー統計データ:
電子マネーに関する統計データも集めてみました。統計局や日本銀行などが最新データを公表しています(日本での電子マネー発行枚数はすでに2億枚に到達する勢いです)。
- 電子マネーの利用状況(統計局のデータ 2012年8月)
- 最近の電子マネーの動向について(日本銀行 2012年11月)
- 電子マネーとは?(wikipedia)
当サイトでも電子マネーカテゴリを強化していますので、そちらもご覧ください。
クレジットカードを怖がらずに持ってみませんか?
今後もこのクレジットカード&電子マネー拡大の流れは続いていくはず。そういった中で現金主義者でいることの弊害は、ますます大きなものになるでしょう。
是非、現金主義者の方は重い腰をあげてまずは1枚で良いので、年会費無料で作れるクレジットカードを持ってみませんか?年会費無料クレジットカードを一括払いで利用するだけなら手数料がかかることはありません(クレジットカード利用にかかる手数料まとめ)。
完全無料で作れるため、お試し感覚でクレジットカード生活を開始できますよ。まずは慣れるところから始めましょう。
近くの現金主義者の方にもこの記事を見せてあげて下さい:
また、この記事を是非、お近くの現金主義者の方に見せてあげて下さい。
特にクレジットカードを持っているのがバレると親に怒られる…といったような純現金主義家計に育った方などの場合には、怖くて親に言い出せないかもしれませんが、この記事を見せるくらいなら出来るはず。3日かけて徹底的に調べた情報なので、少しは客観的な説得力があると思います。
以上、かなりの長文になりましたが、読んでいただいた方、有難うございました。
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